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まとめ
コルグLianoに代わるピアノタッチの上位製品として、予算10万円までの電子ピアノ(コルグ、カシオ、その他海外ブランド)をご紹介しました。
御三家 vs 新興勢力
世界の三大ピアノは一般的に「スタインウェイ&サンズ」「ベーゼンドルファー」「ベヒシュタイン」といわれています。
国内メーカーなら社歴の長いヤマハとカワイがツートップで、ローランドが三番手、カシオとコルグは新規参入のチャレンジャーというイメージです。
アコースティックピアノも手がけているヤマハとカワイは別格という感じがします。
ローランドも200万円近くするデジタル・グランドピアノを作っていたりして、高価格帯の製品ラインナップが豊富です。
「電子ピアノ」のジャンルにおいては、この3社を御三家と呼んでもいいかもしれません。
カシオは楽器というよりも、時計や電卓のメーカーとして一般的に認知されていると思います。
コルグも今まではシーケンサーやシンセサイザーが主力だと思っていて、ピアノを作っているのは初めて知りました。
ヤマハやカワイの音楽教室ではなく、廉価キーボードの独学でピアノを始めた層には、むしろカシオやコルグのほうが親しみやすいかもしれません。
ピアノでなくシンセサイザーの分野なら、コルグとローランドの知名度も高いです。
王道のピアノらしいスタイルではなく、変わったカラーリングやデザインも選べるというのもカシオとコルグの特徴です。
デザイン重視でこれらの製品を購入する人もいると思います。
安いだけではない
カシオとコルグは価格・性能的にユニークな製品で差別化を図り、新たなユーザー層を開拓しようとしているように見受けられます。
どちらも実売価格3万円台から手に入る、ピアノタッチ鍵盤の廉価モデルをリリースしているのが特徴です。
最安ランクであるカシオのCDPとコルグのB2シリーズは、価格最優先で極限までコストダウンされた割り切り商品と思われます。
楽器店でもこれらをよく見かけるので、「安いメーカー」という印象を抱きがちですが、実は両社とも10万円を超える据え置き型ピアノも作っています。
カシオもコルグもBluetooth対応でそれなりの音源や機能をそなえたモデルは5万円以上します。
同等スペックで比べれば、実はヤマハのPシリーズやローランドのFPシリーズとたいして変わらない値段です。
あらためて製品スペックを調べてみると、カシオとコルグのピアノは決して安物ではなく、価格相応で良心的という印象を受けました。
激安商品も用意して消費者の選択肢を増やしてくれるという意味では、ありがたい存在です。
掘り出し物か人柱か
ネット上で見かけたBORAやMEDELIの廉価製品も興味深いです。
ボーラは「1万円台の88鍵」、メデリは「3万円台のハンマーアクション鍵盤」といったわかりやすい特徴があります。
店頭で実機を目にする機会もなく、レビューも少ないので不安を覚えますが、価格最重視なら手を出してみるのもありです。
もとが安いので、仮に失敗しても後悔は少ないといえます。
FATARのStudiologicはそれなりに定評のあるブランドだと思いますが、5万円以上出すならやはり国内メーカーのピアノのほうが安心かもしれません。
ステージピアノらしい尖った機能をそなえているので、収集家のかたならコレクションに加えてみてもよさそうです。
こうした海外メーカーは情報が少ないぶん、個人ブログやSNSでレビューする意義は大きいと考えられます。
たとえ欠陥だらけで使い物にならなかったとしても、それはそれでおもしろい話のネタになりえます。
先に国産ピアノを試して実力を把握できたら、比較のためメデリやスタジオロジックを試してみるのも一興です。
Numaシリーズはまさにそうした楽器沼にはまった人向けのアトラクションなのかと思います。
語源であるイタリアのヌマーナにも、いつか行ってみたいです。