コルグの安い電子ピアノLianoを使っていると「もっと音色の数が欲しい」「重い鍵盤も試してみたい」と物足りなく感じるときがあります。
88鍵のLianoを使いこなせるようになったら、さらなる上位機種にアップグレードすることも考えています。
- 本格的なハンマーアクション鍵盤
…本物のピアノに近い打鍵感 - Bluetoothでスマホと無線接続できる
…練習曲に合わせて弾いたり、外部スピーカーとしても活用できる - スタンドと分離可能なポータブルタイプ
…引っ越しや模様替えの際に、ひとりで運べる - 予算は10万円くらいまで
…高級モデルの違いを実感できるかわからない
といった観点から、候補のピアノを考えてみました。
メーカーはコルグとカシオの10万円以下、そして海外メーカーの廉価商品が中心です。
鍵盤がピアノタッチではありませんが、Liano購入時に検討した格安モデルもいちおう取り上げました。
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コスパで選ぶKORG
コルグの電子ピアノは「高くてもせいぜい10万円台」という、リーズナブルな品ぞろえが売りです(高機能のステージピアノを除く)。
今持っているLianoも88鍵、スタンド付きにもかかわらず3万円台で買えて、ずいぶんリーズナブルに感じました。
品質・機能はもとより価格最優先で電子ピアノを選ぶなら、コルグは真っ先に検討すべきメーカーです。
カラバリに特徴あり
コルグのピアノは機種によってカラーバリエーションが充実しています。
特に売れ筋らしきC1 Airはカラフルで、標準のブラック以外に木目調の黒や茶色、ホワイトやレッドと、奇抜な色が用意されています。
据え置き型で白いピアノは他にもありますが、真っ赤な筐体は唯一無二の存在です。
Lianoもいつの間にかブラック以外に、ブルー、レッド、シルバー、グレー、ホワイトと5種類も色が増えていました。
白以外はメタリック塗装で、バンドのライブやステージでの見栄えを意識したカラーリングかもしれません。
88鍵にしては6kgと軽いLianoなら、外に持ち運んで人前で演奏することも可能だと思います。
コルグは過去にもLP-380という機種で、135通りのカラーバリエーションというカスタムサービスを提供していました。
基本カラーは8つですが、パーツごとに色を選んで組み合わせられるというアイデアは、ピアノ業界でほかに見たことがありません。
参考
LP-380に135のカラー・バリエーションから選べる「Custom Color Order System」新登場。KORG
新製品のPoetryでは反対に「ウォールナット風のミドルブラウン1種類のみ」という、硬派な設定になっています。
ショパンを意識したコンセプトにレトロな茶色は似合っていますが、ツヤありブラックという高級ピアノの定番カラーを排したのは潔いといえます。
他社製品でもローランドGO:KEYSやカシオCT-S1のように、ポータブル型ならカラフルなキーボードは存在します。
カシオはPX-S7000という最上位機種で、「ハーモニアマスタード」という、くすんだ黄色を用意しているところが、コルグとちょっと似ています。
ピアノにはインテリアとしての側面もあるので、好きな色を選べてよろこぶユーザー層も多いと思います。
自分も設置スペースがあって大型のピアノを買えるなら、黒ではなくナチュラルな木の色を選びたいと思っています。
予算度外視、見た目だけで据置型ピアノを選ぶなら、ローランドのKIYOLAとヤマハのTORCHを候補に考えています。
この2製品は数あるインテリアピアノのなかでも、デザイン性と素材・製法へのこだわりが異次元です。
KORGの鍵盤は3種類
Lianoの上位機種にはB2シリーズ、C1 Air、G1B Airなどがあります。
音源はステージピアノ以外すべてステレオPCMとシンプルなわりに、鍵盤は以下の3種類が用意されています。
- NT(ナチュラル・タッチ)鍵盤…B2N
- NH(ナチュラル・ウェイテッド・ハンマー・アクション)鍵盤…B2、B2SPなど
- RH3(リアル・ウェイテッド・ハンマー・アクション3)鍵盤…C1 Air、G1B Airなど
NT鍵盤はB2シリーズの廉価版B2Nにだけ搭載されていて、B2のNH鍵盤より軽いというのが気になります。
どちらも「低音から高音に向けて鍵盤が軽くなるハンマーアクション」という説明だけで、具体的な構造の違いがわかりません。
もし価格相応にLianoのLS鍵盤と同レベルなら、強いてB2シリーズに買い替える必要性はなさそうです。

LianoのLS鍵盤
RH3はコルグの最高級鍵盤で、高級シンセのKRONOSに採用されているものと同じです。
「下手なアコースティックピアノより上質」という評判もあり、せっかく買うならC1 Air以上、RH3鍵盤とBluetooth搭載モデルを選びたい気がします。
ステージピアノのSV-2もRH3鍵盤で、さらに「ベロシティ・センシティブ」と書かれています。
普通のRH3より進化したバージョンなのかもしれませんが、情報が少なく詳細はわかりません。
美山町の日本製
RH3鍵盤を搭載したコルグの上位機種は、「日本製」というのも売りです。
京都の美山町という茅葺きで有名なエリアにある、宇治電器工業の工場で生産されています。
美山町は自転車のイベントでも有名な町なので、いつか行ってみたいと思っています。
日本製にしては価格もそれほど高くないのが不思議ですが、なんとなく品質に安心感を持てます。
水や空気のきれいな場所でつくられたピアノは、音もよさそうなイメージがあります。
製品のクオリティーだけでなく、地方の経済活性や雇用促進に興味があるなら、コルグを選ぶ理由になりそうです。
Bluetooth搭載は希少
コルグ製品で名前に「Air」とつくのは、Bluetooth搭載という意味のようです。
今のところコルグの電子ピアノでBluetooth対応なのはC1 Air、G1B Airと新発売のPoetryのみになります。
B2シリーズやD1、SV-2、Grandstage Xといった高価格帯の製品にも、残念ながらBluetoothはついていません。
ポータブルタイプでBluetooth付きの機種がないのはコルグの弱点です。
B2シリーズには代わりに3.5mmジャックのAUDIO INがそなわっています。
LianoやLP-380UにもUSBの入力端子は付いています。
古いMP3プレーヤーを持っていたりして、「有線接続のほうが手軽で安心」というかたには向いているかもしれません。
変換ケーブルを用意すれば、iPhoneからUSB経由で音声を入力することもできそうです。
外部入力にはあまり関係なさそうですが、Bluetoothの無線通信には遅延が生じるデメリットもあります。
有線接続の手軽さとコストダウンの観点から、コルグはあえてミドルレンジ製品にもBluetoothを採用していないのかもしれません。
最安B2シリーズ
価格とスペックのバランスからすると、B2とC1 Airが売れ筋かと思われます。
据え置き型でLP-380U、LP-180といった機種もありますが、スペックの違いがいまいちわかりにくいです。
B2シリーズの共通スペックとして、音色数は12と少なめながらLianoの1.5倍用意されています。
Lianoと違ってAUDIO IN端子も付いています。
またB2にSTB1という別売りの専用スタンドを付ければ、据え置き固定型のように変更できます。
STB1はLiano付属JamStandsのような、見た目の安っぽさがなく、安定感もよさそうです。
B2SPの場合は、最初からスタンドと3本ペダルが付いています。
専用スタンドが別売りで、汎用のキーボードスタンドも選べるというのは親切な設定に思われます。
据置型と違って鍵盤の蓋こそないですが、見た目はすっきりしてインテリアになじみそうです。
BluetoothなしのB2は不人気なのか、Lianoとたいして変わらない3万円台まで値下がりしていました。
さらに鍵盤スペックが中途半端なB2Nは、上位モデルなのにLianoより安く売られていたりします。
いちおうハンマーアクションでピアノらしい鍵盤をそなえたB2シリーズは、電子ピアノのなかでも最安価格帯です。
ぎりぎり10万円以下でRH3鍵盤やBluetooth搭載のC1 Airも手に入りますが、価格最重視でピアノを選ぶならB2もありだと思います。