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クッションは硬め
パーシーの売りのひとつはクッションの硬さです。
公式サイトでもその点が強調されていて、座面の底部はSバネとウェービングベルトになっているそうです。
ソファの内部構造
座面の上側と背もたれ部分のクッションにはジッパーがあり、これを開けると不織布に包まれた水色のウレタンが見えます。
写真で黄色っぽくまだらに見えている部分は、ウレタンにカバーを接着するための糊です。

水色のウレタンはかなり硬めで、見たところこれ一種類でもたせているようです。
用途に合わせて硬さの異なるウレタンを使い分けるとか、そういう工夫はありません。

座面の下側と、背もたれを支えるパーツは、ほかと違って分解できない仕組みになっています。
公式ウェブサイトでも、中身の写真は公開されていません。
手で触った感じでは、脚につながる底部から背面にかけては木製の構造体になっています。
木枠の上にSバネとウェービングベルトを張っていると思うのですが、両者を重ねて使っているのか、座と背で使い分けているのかは不明です。

座面の下側は上側よりリジッドな感触で、品質表示の説明書にもクッション材の部分に「鋼製ばね」と記載されています。
全体的にウレタンも硬めのものが使われているのですが、座面底部はバネのおかげでさらに硬く仕上がっています。

ベッドとして適度な硬さ
コイルスプリングやポケットコイルに及ばないものの、パーシーにはちゃんとしたソファ向けの構造材が使われています。
少なくとも、クッション材としてウレタンしか入っていない格安ソファよりは、しっかりした座り心地で快適に使えます。

この製品はベッドとして使う際の快適さも考慮して、クッションの硬さを設計したのでしょう。
マットレスがふにゃふにゃだと寝返りを打ちにくく、背中や腰を痛めがちです。
シートの上部はウレタンのみにすることで、ソファとして利用する場合は若干柔らかくなるよう工夫されています。
座面が二重でボリュームのある見た目ながら、適材適所でクッションの硬さをコントロールしています。

健康に良さそう
個人的には板座のチェアや座面の硬いソファが好みなので、パーシーはぴったりでした。
体が沈み込みすぎないので、長く座っても疲れにくいというメリットがあります。
なぜ柔らかいクッションより硬いクッションのほうが疲れにくいかというと、ひんぱんに姿勢を変えたり、多様なポジションで座れるからでないかと思います。
人間、同じ姿勢でずっといると、血流が滞ったり関節が固まったりして不快になってきます。
座面が硬ければ、寝返りを打つように姿勢を変えるのも楽ですし、横向き/斜めに座ったり、体重のかけかたを変えることができます。

また椅子が硬いとお尻が痛くなるので、体圧を分散させるように自然と体が動く傾向があります。
「座面が硬くて、座りにくい椅子」というのはデメリットのように見えて、実は健康上ポジティブな効果があるのかもしれません。
近年は「座りすぎると寿命が縮む」と警告されています。
柔らかすぎるソファで長時間過ごしてしまう癖のある人には、ほどよいくつろぎ感と弾力性を得られるパーシーのようなソファがおすすめです。
意外と高級感あり
パーシーは3万を切る低価格帯ながら、硬めの安定した座り心地は高級ソファに劣りません。
高いソファほど硬い説
今までいろんなソファを試してきて、「高級品ほど座面が硬い」傾向があるように思います。
安いソファの底付きするようなクッションの柔らかさに比べて、バネやコイルの入った高級ソファでは心地のよい弾力性を感じられます。

和菓子・洋菓子の世界でも、老舗の高級店ほど薄味で、あっさりと品のよいお菓子が多いです。
駄菓子のように過度な砂糖や調味料に頼らないことで、素材そのものの良さを引き立てているのかもしれません。
これと同じで家具の世界でも、高級品ほど甘すぎない(柔らかすぎない)クッションや構造になっていて、長く使っても疲れにくい仕組みになっているのではないでしょうか。
パーシーはニトリ製品ながら、安っぽさを感じさせない弾力性をそなえています。
目をつぶって座れば、10万円の高級ソファと変わらない感触を味わえると思います。
シンプルで使いやすい
パーシーは余計な装飾がついていないシンプルな形状なので、どんなインテリアにも合わせやすい利点があります。
高価な北欧家具やモダニズムの名作家具でそろえた部屋にも、案外なじむ気がします。
ニトリというよりもイケアや無印良品の家具に近い、ミニマムで匿名的、質実剛健なデザインといえます。

ポケットコイルといった過剰・複雑な機構をもたず、必要最低限の性能でリーズナブルな価格を実現しているところが「潔い」と感じます。
ポリエステル生地の質感が安っぽいのは否めませんが、もしウールや本革で覆われていたら価格は2~3倍に跳ね上がるでしょう。
品質は高くても安価なニトリ製品なので、気兼ねすることなく普段使いできるのがメリットです。
多少汚れても心理的なダメージは少なく、お子さんがいる家庭にも合っていると思います。
メンテナンス性を上げて生地を長持ちさせるなら、後述のようにカバーで覆ったり、シーツやブランケットをかぶせて使うのもおすすめです。
保証は5年間
パーシーの保証期間が5年間もあるのは、品質に対する自信の表れかもしれません。

購入してから4年間、ほぼ毎日使っていますが、クッションが不自然にへこんだり、バネが壊れれるといった不具合は出ていません。
金属のきしむような音がすることもなく、ソファベッドながらソファ単体としても性能は高いように思われます。
生地は多少こすれて劣化しているものの、最近はカバーをかけて使っているのでダメージも少ないです。
ニトリ製品は安くても、全体的に耐久性はかなり高いイメージがあります。

クッションが付属
パーシーは深すぎる座面の奥行きを補うためか、細長いクッションが最初から付いてきます。

これを背の下に当てることによって、座ったときに「腰が浮く」ような違和感を解消する目的と思われます。
また長めの形状は、ベッドに変形した際、枕として使ってもらうことをイメージしたのかもしれません。

しかし座面の高級感ある硬さに比べて、付属のクッションはふにゃふにゃのいただけない代物です。
「ないよりはまし」という程度のおまけで、枕としてもよほど低めのタイプが好きな人でなければ、体に合わないと思います。

カバーの一部は洗える
ちなみにこのクッション、カバーが外せて手洗いできます。

ソファ本体の生地も同じ生地なので、ジッパーを開けて中身を取り出せば、背中と座面上部のカバーは洗えるのかもしれません。

カバーの着脱に手間はかかりますが、ちょうど肌の触れる部分だけ布地を洗えるようになているのは親切な設計です。
木枠・バネのある座面下部と背もたれ裏のパーツは洗えませんが、ここは普段触らないので、汚れる頻度も少ないと思います。

別売りクッションを推奨
結局パーシーの付属クッションは使いにくいので、普段は外して押入れに収納しています。
代わりに置いているのは同じニトリのポリエステル製クッションで、こちらの方が硬さも張りも十分あって快適です。

ニトリのヌードクッションは税込499円と格安なので、これを2個買ってパーシーに挟めばちょうどいいと思います。
45cm角の標準サイズなら、他社製でも国産・フェザーなど、さまざまなヌードクッションが手に入ります。
サイズの合うクッションカバーも、ニトリなら1枚1,000円以下で豊富に用意されています。
付属クッションの出番があるとすれば、ソファを壁際に設置したときです。
背もたれの上に細長いクッションを乗せると、ちょうどヘッドレストになります。
首や頭を支えてくれるので、ソファに深くもたれて仮眠をとるときにちょうどよいです。

ただし説明書によると、壁紙に布地の塗料が移るかもしれないので、5cmは離して使うよう指示されています。
色移りのおそれがあるという点においても、パーシーの生地はあまり上質なものではなさそうです。

生地が安っぽい
パーシーの座面クッションは優秀ながら、生地はいかにも安いポリエステルという感じです。
化繊っぽいザラザラした肌触りもいまいちなので、普段は綿素材のカバーをかけて使っています。
グレーというより茶色
生地の色はグレーと書かれているのですが、私の目にはどう見ても茶色に見えます。
強いていえば「赤みの強いグレージュ」で、無彩色とはいいがたいです。

ソファにカバーをかけているのは、肌触りの改善、汚れ防止といった目的のほかに、この赤っぽいブラウン色が気に入らず「ほかの家具とも合わせにくいから」という理由もあります。
一人掛けソファ用のマルチカバーも探したのですが、しっくりくるものはありませんでした。
ニトリが用意しているストレッチソファカバーは、ひじ掛け付きで二人用のものばかりです。
パーシーの「1.5人用」という半端なサイズには、ぴったり合うカバーが見つかりません。
ニトリ公式でなければ、2~3人用の肘なしソファ用のマルチカバーが販売されています。
多少大きめでも、パーシーにフィットする製品が見つかるかもしれません。
布をかぶせて使う
とりあえず、家で余っていた大き目の布を折りたたんでソファに乗せています。

ソファの側面はむき出しになっていて見た目はいまいちですが、コットン製なので触った感触はだいぶましです。
ソファの上でなにかこぼしても、本体の生地を汚すリスクは避けられます。
もし器用な人なら、パーシーに合うソファカバーを自作できるかもしれません。
形状がシンプルなのでカバーも作りやすく、カスタムベースとして便利な製品です。
中身はしっかりしているので、お気に入りの布でカバーをつくれば、さらに愛着をもって使えると思います。