ワークマンで買った「親方 寅さん」が気に入ったので、同じく福山ゴム工業株式会社が販売しているラスティングブルも試してみました。
選んだのはシリーズのなかでも一番シンプルで安いLB-011のブラック色です。

同シリーズのインソールも追加購入して、1年ほど履き続けました。
現状での感想をまとめてみたいと思います。
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親方寅さんとの違い
似ているようで微妙に違う、寅さんとラスティングブルの違いを整理します。
ウィズはEEEで履き心地も同等ながら、見た目の印象やソール・アッパーの仕様が異なっています。
いかにも作業靴感がない
寅さんは「これぞワークシューズ」といった感じの無骨な外観をしています。
黒いゴムで縁取りされたコットン素材のアッパーに、ビビッドなオレンジ色のソールが目立ちます。
これはこれで実用的な美しさがあるものの、街中で履いておしゃれに見えるかというと微妙です。
遠目からはVANSのスリッポンに見えなくもないですが、近くで見るとそこはかとない安っぽさを感じます。
今回買ったLB-011は寅さんと同等のスペックながら、普通のカジュアルシューズにアップデートされています。
作業靴としての機能性や耐久性を保ったまま、見た目はきれいめスリッポンなので、街やお店に履いていっても恥ずかしくありません。

価格相応で高級ブランドには見えないものの、清潔感を重視したカジュアルファッションにはぴったりの抜け感を演出してくれます。

ちなみに寅さんのほうは、中敷きにプリントされた「親方 寅さん」という文字が、人に見られると恥ずかしいという欠点がありました。
靴を脱ぐ必要のある職場や、料亭・居酒屋には、なるべく履いていきたくないシューズです。
いっぽうLB-011の中敷きにはLasting Bullという英語のロゴがさりげなく印刷されているだけなので、悪目立ちしにくいのもちょっとうれしい改良点です。

ソールが白&グレーで清潔感アップ
LB-011はアッパーとソールをつなぐ補強材および履き口のゴムが白色に変更されていて、これだけで足元の軽さと清潔感が格段に向上しています。
ソールはグレーで適度に汚れが目立たず、各色アッパーや服にも合わせやすいモノトーンの組み合わせです。

寅さんや建さんのソールが派手なオレンジなのは、現場作業での視認性を高めたり、靴底に張り付いた異物を目立たせるための工夫と思われます。
ただし特徴的なオレンジソールのおかげで、知っている人が見れば「ワークマンの安物」とばれてしまいます。
ワークマンの店舗周辺では、同じシューズを履いている人とすれ違うこともしばしばです。
とはいえ見た目がクリーンなLB-011の白ソールですが、多少汚れが目立つのはデメリットといえます。

ワークシューズ由来の機能を活かして、山や作業現場でもガンガン履けるのがラスティングブルの特徴です。
価格も安いので汚れたら買い替えてもいいのですが、さすがにもったいないので今のところ街歩き用に限定しています。
特にチェーンの油汚れがつくと取れにくいので、LB-011を履いてロードバイクに乗るのも控えています。

靴底の汚れが気になるかたは、ソールが黒色の姉妹品LB-024やLBS-806を選べばよいかもしれません。
ラスティングブルのカラーバリエーションや素材違いの類似品については後述します。
1年履いた時点の状況として、アッパーとソールをつなぐ補強のゴム素材が一部ひび割れてきました。

靴全体が柔らかくたわむ反面、この側面パーツは柔軟性がなく、動きに追従できず割れてしまったように見えます。

さいわい靴の内側なので外から目立たず、割れ目から水が入ってくる懸念もなさそうなので、実用上は問題ないと思います。
アッパー素材が帆布で頑丈
甲の素材について、公式サイトによれば寅さんはコットン、LB-011は帆布という違いがあります。
同じ綿素材ながら、よく見ると寅さんは綾織の柔らかいツイル生地、ラスティングブルは平織りで硬めのキャンバス生地と使い分けられています。

以前履いていた寅さんは、長く履いているとアッパーが擦れたり色あせてくるという問題点がありました。
LB-011は耐久性が高い帆布素材のおかげか、1年履いてもアッパーのほつれや破れは見られません。

寅さんがあえてツイル地を採用しているのは、強度より伸縮性を優先したためと思われます。
ソールの屈曲性を活かして、しゃがんだりつま先で立ったりしやすいように、甲の素材も柔らかくたわむように設計されています。
福山ゴムの靴製品には、鉄や樹脂の先芯が入った作業靴もラインナップされています。
より安全性が求められる工事現場等においては、本格的なセーフティーシューズを履いてもらうというコンセプトなのかもしれません。
寅さんはあくまで軽さと柔らかさとグリップ性を極限まで高めた、鳶や軽作業用のワークシューズという位置づけです。
LB-011の帆布アッパーは柔らかさで寅さんに劣りますが、耐久性は高められているようです。
開封から1年経過して、ようやく布地の黒色がやや色あせてきたかなという程度です。
よく見ると単にほこりですすけてきているだけかもしれないので、洗えば復活しような予感もします。

かかとのライニングもこすれて少し破れてきましたが、まだ許容範囲という感じです。

よそ行き用として大事に使い、雨の日や不整地の歩行もなるべく避けていたので、わりときれいな状態を保てたのかもしれません。
「長持ちする」という点においては寅さんよりラスティングブルのほうが優秀で、使用できる場面も多く、経済的なシューズといえそうです。
トレッドパターンが違って長持ち
寅さんのソールは、つま先からかかとにかけて異なるトレッドパターンが施されていました。
特に先端部分は目の細かいひし形の凹凸になっていたため、つま先立ちしたときに靴底がよじれず安定します。
これに対してLB-011のソールは、全面的に蛇腹状の溝が刻まれています。
溝の深さは寅さんより浅く、中央部にあったFUKUYAMA / MADE IN CHINAという刻印も省略されています。

とはいえ突起の上にも斜めに細かい溝が刻まれている仕様は寅さんと共通で、グリップ力は抜群です。
濡れたアスファルトやタイルの上でもほとんど滑りません。

LB-011のソールは単調で工夫がなさそうですが、靴底すべてに溝があるせいか、寅さん並みにしなります。
手で折り曲げれば余裕で90度以上屈曲し、それでもアッパー・ソールが壊れないという柔軟性が、他社のスリッポンと大きく異なるポイントです。

フラットでよく曲がるソールがベアフットシューズに近く、地面の凹凸を感じられて歩くのが楽しくなります。
寅さん同様、かかととつま先の高低差(ドロップ)も小さめでフラットに感じます。
丸一年履き込んでみて、ソールの突起は多少すり減ったものの、アウトソールのゴム層はまだ十分残っています。
靴裏全体で地面に接する構造のためか、荷重が分散されてソールの偏減りが軽減されているように思われます。

片足のかかと部分は切れ目が入ってしまったので、雨の日に履くと靴底から浸水してくるかもしれません。
人目につかない部分なので、使う状況を選べばまだ十分耐えられそうです。

人とかぶらないスリッポン
ラスティングブルを購入して1年、これを履いて電車に乗ったり街を歩いたりしていますが、同じ靴を使っている人にはまだ出会ったことがありません。
「知る人ぞ知るこだわりのアイテム」として、ほかの人とかぶりにくいのもLB-011のメリットです。
シンプルかつ個性的
ヴァンズのスリッポンに代表される、キャンバス地の紐なしスニーカーは数多く販売されています。
有名どころではコンバースやプロケッズなど。小学校の上履きみたいなものまで含めれば、アサヒシューズやムーンスターの格安スリッポンも無数にあります。
元々ミニマムなデザインなので、ブランド品でも違いがわかりにくいのがスリッポンの特徴です。
コンバースはオールスターのようなトゥキャップを付けたり、プロケッズはソールに色付きのラインをプリントしたりして差別化を図っています。
ラスティングブルのLB-011も王道のVANSスタイルながら、側面に巻き上げたギザギザのソールで、控えめに個性を主張しています。

またアッパーの切り替えしに縫い付けられたLasting Bullというタグで、単なる無名の安物ではないというこだわりもアピールできます。
シューズの外側中央部という絶妙な位置で、一見なにかわからないけど、よく見るとロゴらしきものが刺繍されているという奥ゆかしさを感じます。

ちなみにLasting Bullは日本語に訳すと「持続的な強気相場」といったニュアンスもあり、株式投資をしている人にはゲン担ぎになるかもしれません。
「シンプルで楽ちんなスリッポンが欲しいけど、ヴァンズやコンバース中高生とかぶる」
「とはいえユニクロや無印良品の靴は匿名的すぎておもしろくない」
といったわがままなニーズにこたえてくれるのがラスティングブルです。
脱ABCマート、アンチユニクロ派のかたには、人とかぶらないスニーカーとしておすすめできます。
スピングルと似ているが違う
同じく広島県発祥のスピングルと同じバルカナイズ製法を格安で体験できるのも、福山ゴム製品のおもしろいところです。
「見る人が見ればスピングルっぽい、でも価格は1/10」というのがラスティングブルの隠れた魅力です。

スピングルは周囲に張り出したギザギザのソールがブランドのアイコンになっていて、「シンプルな見た目ながら数万円する高級品」というオーラを発しています。
個人的には好きなメーカーですが、まわりの人に威圧感を与えてしまう点は否めません。
念願のスピングルを購入した際は、あえてソールのドヤ感が控えめなBizモデルを選びました。
これに対してLB-011もソールのゴム材がつま先まで巻かれていますが、スピングルほど大胆で主張が激しくないところが、むしろ好ましく感じています。

- ブランド品を身につけていると悟られたくない
- お金持ちと思われたくない
- でもファッションにこだわっていることはアピールしたい
- 見た目の高級感より機能性重視
- できればなるべく安く済ませたい
こうした観点でカジュアルシューズを選ぶとしたら、ラスティングブルはひそかにおすすめできるシリーズです。
大人の外しアイテムとして、渋谷や原宿でLB-011を履いたら案外注目されるかもしれません。
ワークマンで売られている作業靴の上位版であるとか、ソールがしなるのでベアフットシューズに近いとか、靴マニア向けのネタも豊富に語れます。
総じてブランドよりも実用性を重視し、お金よりも知性をアピールしたい人には、福山ゴムのラスティングブルが向いていると思います。
ラスティングブルのインソール
LB-011は「中底布、ラテックスフォーム、ヒールスポンジ、中底ボードの4層構造」とうたっているとおり、薄めのソールに見えてクッション性はかなりあります。
その代わりベアフットシューズとして、ソールの薄さを極限まで求める人には物足りないかもしれません。

ウィズは3Eで幅が広くサイズにゆとりがあるため、自分はこれにインソールを追加したほうがフィットするように感じました。
細かな違いはありながらも、LB-011の履き心地は寅さんに近い気がします。

最初は使いまわしの古いインソールを入れていましたが、ラスティングブルのインソールがあることを知り、ためしに買ってみました。
こちらも近所のワークマンでは取り扱いがなかったので、LB-011と同じく通販で購入しました。
LB-011にジャストフィット
ラスティングブル・インソール#2020は1,000円前後と安価にもかかわらず、フィット感やクッション性はかなりすぐれていると思います。

「1万人の足型計測から生まれた」という宣伝どおり、平均的な日本人の足にマッチするよう工夫されているのかもしれません。

インソールは27cmのLB-011に合わせてLLサイズを選びました。

裏にプリントされた27.0のガイドラインに沿って、つま先をハサミでカットします。
加工の手間はかかりますが、製品のサイズ展開を減らせる合理的なシステムなので、価格を抑えるのに貢献していそうです。

特に意識せず靴のなかに入れても、縦横幅ともぴったり収まりました。
さすが同じシリーズの製品だけのことはあります。
適度なクッション性とホールド感
このインソールにはゲルや人工筋肉といった特殊素材が使われていないものの、かかとのクッションが大き目で衝撃吸収能力は高そうです。

裏面はハニカム構造になっていて全体的に厚みもあるため、中敷き4層構造のLB-011に合わせると、気持ちのいい弾力性を実感できます。

土踏まずのサポートと、かかとのホールド感もまずまずです。
前方には空気穴も開けられているせいか、夏場も蒸れが気になることはありませんでした。
LB-011はアッパーも帆布素材なので、通気性や吸湿性は十分に確保されています。

ラスティングブル・インソールは際立った特徴がないものの、平均的によくできた中敷きだと感じました。
予算1,000円程度で、100均より高性能なインソールを求めている人にはおすすめできます。
なによりLB-011との相性が抜群なため、同シューズの標準オプションと考えてもよさそうです。
万年筆で自社製のインクを合わせるように、シリーズ品のインソールを合わせることでシューズ本来の性能を発揮できるのかもしれません。

靴と中敷き両方買っても3,000円台と格安ながら、快適さの大幅な向上を期待できます。
インソールは導入してから半年くらいですが、かかとのクッションもぺたんこにならず、性能は十分に保たれています。
足裏に接する布部分もまだ破れず、プリントが鮮明に見えています。

この価格帯のインソールとして、寿命が極端に短いということはなさそうです。
もう少し長く履いて、中敷きの劣化具合も観察してみたいと思います。
カラバリ、モデル展開
LB-011のカラーバリエーションと、その他のラスティングブル・シリーズや類似品をご紹介します。
LB-011は6色展開
今回は汚れが目立たなそうなブラックを選びましたが、メンズのLB-011はほかにもオフホワイト、グレー、マスタード、ネイビー、カーキと多色展開されていて、なにげにカラバリ豊富です。
福山ゴムのPDFカタログにはブルー、レッドとワインレッドがありますが、楽天公式ショップでは選べなくなっています。
またレディースのLB-010にはネイビーとカーキがなく、色数は少なくなっています。
明るいカラーでもアッパー周囲の黒いパイピングが引き締めていて、バランスよく仕上がっていると思います。
なかでもオフホワイトは清潔感抜群なので、安価なLB-011を「シーズンごとに買い替えて白さを保つ」といった運用法も考えられます。
なんといっても2,000円台で買える安さが売りなので、全色そろえて服に合わせて履き替えるという上級テクニックもありです。
デニム素材、紐付き、先芯入りモデル
スリッポン型としてはアッパーがデニム素材で、ジーンズのように色違いのステッチを目立たせたLB-024も候補に挙げられます。
縫い目が強調されてさらにカジュアルな印象ですが、ソールがオールブラックなので汚れが目立たなくてよさそうです。
同じくスリッポンでアッパーが合成皮革のLB-067もあります。
ただしこちらはぶ厚い耐滑ソールに屈曲性はなさそうなので、寅さんやLB-011とは履き心地がだいぶ違ってきそうな予感がします。
紐付きのLB-050はフィット感を調整できてよさそうですが、こちらも硬めの耐滑ソールなので注意が必要です。
スモーキーな帆布のアッパーと飴色のガムソールがレトロな雰囲気をかもしだしています。
シューレースやソールの構造にコストがかかるのか、ラスティングブルのなかでは一番価格の高い商品になります。
そのほかラスティングブルにはLB-011と似たかたちで、ソールがブラックやカーキになったLBS-806というモデルもあります。
かかとを踏んでも履ける2Wayタイプで、アッパーとソールが同色なのでよりシックな見ためになります。
ただしLBS-806は安全靴の仕様で、つま先に樹脂の先芯が入っています。
日常利用でつま先を保護する必要性は低そうですが、登山やトレランで荒れた山道を歩くときは安心材料になりそうです。
特に富士山の砂走を下る際など、砂利のなかに埋もれた石に足をぶつけてケガをするリスクを避けられます。
寅さん#31もおもしろい
汚れを気にせずガンガン履ける「黒いソール」という点では、ラスティングブル以外に親方寅さんの#31も選択肢に入ります。
寅さん#31もアッパーが帆布で、さらにぶ厚い6mmの中底スポンジをそなえているためクッション性は高そうです。
ブラック、カーキ色ともステッチが白で強調されていて、オールスターのようなゴム製のトウガードも付いているため、カジュアル感は高めです。
まとめ
ラスティングブルのLB-011は「安い、シンプル、高機能」と三拍子そろったスリッポンです。

作業靴の寅さんより見た目が洗練されていて、大人のカジュアルファッションに似合います。
旅先で長距離歩いても疲れにくく、汚れるのを気にしなければ山にも登れるグリップ性・耐久性をそなえています。

帆布素材のアッパーは頑丈で、ソールも耐久性が高いため、1年履いてもたいして劣化しませんでした。
安価なうえに長持ちしてコスパ最強、非常に経済的なスニーカーともいえます。

靴紐のないスリッポンは、かかとに指を挟めば片手で簡単に着脱できます。
しゃがんで紐を結ぶ必要がないので、膝や腰に痛みを抱えているかたにもおすすめです。
ソールの柔軟さも寅さんゆずりなので、普段ベアフットシューズで鍛えているかたの街歩き用、オフの日のリラックスシューズとしても使えそうです。
ラスティングブルの専用インソールを挟めば、さらにクッション性を高めることもできます。

デメリットとしては、建さん・寅さんのようにワークマンでの取り扱いがなく、実店舗で試し履きできないこと。
履き心地はウィズ3Eの寅さんと同等なので、店頭で寅さんを履いてみればサイズ感を確かめられると思います。
通販で買うなら楽天市場の公式ショップがバリエーション豊富です。
ただしモデルや色によっては、Amazonのほうが若干安くなっていることもあるようです。







