Meta Quest Free Weekendsのゲーム感想

Golf5

8/2~5の公開作品は『ゴルフ5』と『iBクリケット』でした。
前週のボウリングと似た感じで、どちらもスポーツ系のシミュレーションゲームです。

Meta Quest向けのゴルフゲームはいくつかありますが、そのなかでも『ゴルフ5』は定価2,200円といちばん高価なタイトルになります。

操作の難易度は高い

操作法はコントローラーをゴルフクラブに見立てて振る感じです。
最初はなかなかボールに当たらず、うまく当たったとしても変な方向に飛んでいきます。

Golf5

OBせずフェアウェイに球を乗せるところからして、いきなりハードルが高めです。
まわりに砂漠や池があるコースでは、なかなか先に進めませんでした。

Golf5

コントローラーの先にある仮想的なクラブヘッドをボールに当てるのは、ボウリングの球を投げるより難しいといえます。
この点は実世界でもVR空間でも同じという印象を受けました。

Golf5

ゴルフクラブの長さを想定して、見えないヘッドをボールに当てる感じです。
実際のゴルフでも打つときは手元を見ていないはずなので、慣れればうまくできるのかもしれません。

パターは激ムズ

だいぶ練習してまっすぐ打てるようになっても、グリーンのうえでパターを使いこなすのが至難の業です。
たいてい強く打ちすぎてグリーンを外れてしまうので、微妙な力加減が必要になります。

グリーン上に表示される芝目や風向きは、ボールの進行方向にかなり影響してきます。

Golf5

1時間プレイしても、カップインするまで10打以上要することが多く、ダブルボギー、トリプルボギーすら達成できませんでした。
まともに遊べるようになるまで、相当なトレーニングがいるゲームだと思います。

Golf5

シミュレーターとしても優秀

難易度が高いぶんゴルフのシミュレーターとしてはよくできていて、ドライバーやアイアンも細かく用意されています。
もともとゴルフをやっている人、ほかのゴルフゲームにも慣れているかたなら、のめり込めると思います。

打った後はクラブやボールのスピード、飛距離、回転数、各種角度が画面に表示されます。
詳しい人ならこういう数値から、自身のスイングを改良できるのかもしれません。

Golf5

先に紹介した『プレミアム・ボウリング』と似た感じで、ゴルフコースは何種類か用意されています。

Golf5

イギリスの邸宅、ヤシの木の生える海岸や砂漠、高層ビルの立ち並ぶ都市型コースまでさまざまです。

Golf5

VR空間とはいえ森のなかで過ごせるので、リフレッシュ効果も高いと思います。

Golf5

ちょっとした運動になり、疑似的に自然を味わえて、VRは案外健康によいゲームかもしれません。
以前、VRの歩行シミュレーターを病院でのリハビリに使うという研究論文を目にしたこともあります。

謎のミニゲーム

おまけとして小規模なコースをパターで攻略する、グラウンド・ゴルフのようなミニゲームもありました。

Golf5

ルールがわからず適当にボールを打ってみたところ、壁に当たって戻ってきてしまいます。
どうやら打つ方向や強さにパズル的な要素があるようで、計画的に狙わないと先に進めないようです。

Golf5

ゴルフのテクニックを磨くというよりは単純なお遊びですが、暇つぶしに楽しめそうです。
微妙な力加減が必要なので、パッティングの練習にはなるかもしれません。

CGの品質が低い

Meta Quest向けのタイトルはどれも、最新のPCゲームや家庭用ゲーム機に比べるとCGのクオリティーが見劣りします。

Golf5

今回使ったMeta Quest 2のSoCはクアルコムのSnapdragon XR2で、CPUはKyro 585、GPUはAdreno 650となっています。
この構成は2020年に発売されたSnapdragon 865と同じなので、VR用チップとはいえ処理性能は当時のハイエンドスマホと同程度と考えられます。

Golf5

ふだんGeForceやRadeonのグラボを載せたゲーミングPCで遊んでいる人にとっては、Meta Questのグラフィックが20年前のクオリティーに見えて物足りないかもしれません。

モバイル型のHMDなので仕方ないとはいえ、ゲームというジャンルにおいては常に最新ハードウェアと比べられてしまうのが難点です。

Golf5

最新のMeta Quest3に8万円も出すなら、PlayStation5が買えてしまいます。
すでにPS5を持っているなら、ゲーム機本体と接続できてグラフィックも格段にきれいな、PSVRを買ったほうが幸せかもしれません。

PSVRも価格は高く、そんなに流行らないだろうと思っていたら、2023年にバージョン2が発売されていました。

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PSVRに比べて「映像のしょぼさ、対応ゲームのマイナーさ、ユーザーの少なさ」…など数あるデメリットを承知したうえで、ストイックに訓練するのがMeta Questです。

Golf5

考え方によっては、一昔前のローポリゴンCGを見られて、ノスタルジーにひたれるデバイスともいえます。

iB CRICKET

『iB CRICKET』をプレイする前に、まず「クリケット」というスポーツがなんなのか理解しておく必要があります。

iBCricket

日本では知名度が低いと思われますが、Wikipediaによると世界の競技人口は3億人、クリケットファンは推定25億人もいて、サッカーに次ぐメジャーなスポーツらしいです。
世界的には、野球やテニスより人気があるというのが驚きです。

iBCricket

クリケットは16世紀にイングランドで始まり、大英帝国由来であることから「紳士・淑女のスポーツ」とも呼ばれるそうです。
その後、海外にも広まって現在100か国以上でプレイされ、特にインドでは一番人気のスポーツとされています。

プレーヤーのCGキャラも、なんとなくインドっぽい人ばかりです。
みなヒゲが生えています。

iBCricket

クリケットのルール

クリケットのルールを事前にネット調べてみました。

  • 野球と同じで、投手が投げたボールを打者が打つ
  • バッターの後ろにあるウィケットという棒を倒されてはならない
  • 打ったボールが戻ってくる前に、ランナーが向うのウィケットに到達したら得点
  • ピッチャーはボールをワンバウンドさせて投球しないといけない
  • バッターは360度どこにでも打てて、ファイルがない
  • バッターはウィケットを倒されなければ、空振りしてもアウトにならない
  • 打ったボールを守備側にノーバウンドで捕球されるとアウト

なんとなく野球とホッケーを合わせたようなスポーツに思われました。

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専用コントローラーあり

バットは幅広で、こん棒を平べったくした武器のように見えます。
当たり判定が大きく、ピッチャーもワンバウンドして投げてくれるので、野球よりボールは打ちやすいといえます。

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最初の設定メニューで、VRのコントローラーではなく「iB Cricket bat」を選ぶこともできます。
このゲームのために、専用のバット型コントローラーまで販売されていました。

純製品は品切れですが、『iB CRICKET』以外にも『Beat Saber』など、いろんなゲームで使える汎用コントローラーを購入できます。

日本でこのゲームを買う人はごくわずかだと思われます。
しかし周辺機器が充実しているところをみると、世界的にはメジャーなタイトルのひとつなのでしょう。

よくわからずプレイ開始

とりあえずゲームを始めてみたところ、野球のスタジアムのようなところに連れていかれました。

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ただしバッターはグラウンドの中央付近に立っています。
後ろを振り返ると、「ウィケット」という3本の棒が地面に突き刺さっています。

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ピッチャーがボールを投げてきたのでバットを振ると、空振りしました。
後ろに転がったボールが「ウィケット」に当たって倒されると、失点するようです。

なにかまずいことが起きると、観客が「オォ~」とうめいてくれるので、それとなくわかります。

守備の隙間を狙う

何度かバットを振ってボールに当たるようになりますが、フライになってそのままキャッチされるとアウトになります。
ボールを遠くに飛ばすというよりも、なるべく守備が手薄なところを狙って、勢いよくゴロで打ち返すのがいいようです。

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たまたまうまく当たって遠くまでボールが転がると、その間にランナーが走って得点を重ねられる感じです。

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会場が広いわりに、狭い範囲でプレイする地味なスポーツという印象を受けました。
「ホームラン」という概念はないようですが、思い切り遠くまでボールを運んでランナーが何往復もできたら、高得点につながるように思われます。

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投球練習モード

iB クリケットもVRゲームらしく、スタジアムや天候、芝のコンディション、ボウリングの難易度やバットの有効範囲(BAT SHIELD)など細かく設定できます。

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このうち「バット・シールド」は100%まで上げておいたほうが、ボールが当たりやすく初心者にやさしいです。

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序盤のチュートリアル以外に、守備側としてボウリングを練習できるコーナーもありました。

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画面の指示どおり、コントローラーを振るまわしながら、真上に近い位置でボールを放せばいいようです。

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ピッチャーとしてはそれなりに早いスピードでボールを投げ、バウンドさせてウィケットに当てればよいはずです。

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ただ「ウィケット」が設置されている範囲はかなり狭いので、まっすぐ投げて当てるのは難しかったです。

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バッター視点で近くに見える「ウィケット」も、ピッチャーから見ると野球のストライクゾーンより狭いと感じます。

AR/MR練習モード

『iB CRICKET』には部屋のなかに壺などを配置して壊す、「BREAKING OBJECTS」というお遊びモードも用意されています。

iBCricket

キャプチャ画像は背景が黒くなっていますが、Meta Questのカメラを使い、実際の室内空間と合成表示されていました。

事前準備として部屋のなかの好きな場所に、CGの壺や絵画などのオブジェクトを配置します。

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物体の大きさによって、当たった際の得点が変わってくるようです。
大きなディスプレイは1 RUNですが、小さな壺や時計は4 RUNゲットできます。

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ボールはピッチングマシーンが自動的に投げてくれます。

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うまくバットに当てて配置したオブジェクトを破壊すると得点が入ります。

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VRゴーグルの機能を活用したおもしろいミニゲームですが、準備が大変なわりに、たいして爽快感を味わえません。
うまく使いこなせば、的確なトレーニングができて便利なのかもしれません。

iBCricket

細かいテクニックや戦略のようなものはわかりませんでしたが、クリケットも野球と同じくらい奥が深いスポーツだという予感はしました。

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