能登半島地震の1年ほど前、休暇村能登千里浜(ちりはま)に2連泊してみました。
現在は北陸応援割の「いしかわ応援旅行割」の対象施設にもなっています。
金沢と輪島のちょうど中間くらいにあり、能登観光の拠点として連泊するには便利な立地です。
能登の海産物をたくさん食べられるお食事が最高でした。
能登半島、輪島~珠洲の見どころについてはこちらの記事でご紹介しています。
震災後はホテルの運営状況などが変わっているかもしれないので、ご注意ください。
客室とラウンジ
休暇村能登千里浜のある場所は、金沢から北に40キロほど離れた、羽咋(はくい)市です。
金沢から輪島までつながる「のと里山海道」の柳田IC近くにあります。
まわりにほとんどお店はありませんが、ホテルとインターの間にコンビニはありました。
お食事は充実していて施設内に売店もあるため、飲食物に困ることはないと思います。
客室内の写真を撮り忘れてしまい、すみません。
和室のお部屋からは、海沿いの松林がよく見えました。
海は近いのですが、木々にさえぎられて海面は望めませんでした。
ラウンジは広く、お土産コーナーも充実しています。
年末が近かったので、クリスマスツリーが飾られていました。
共用部にハンモックがあって、お風呂上りにくつろげます。
こういうリラックスした雰囲気も、休暇村らしい演出です。
夕食「なぎさ」コース
夕食は安い方の「なぎさ」付き宿泊プランを選びました。
5品程度のシンプルな懐石ですが、これでもかなり満足できます。
一般的な温泉旅館の夕食は量が多すぎるという方にも、ぴったりなサイズです。
昼間はトンカツ乗せの金沢カレーを食べていたので、むしろこのくらいの分量で十分でした。
2連泊でどうなるかと思ったのですが、1日目・2日目と夕食のメニュー構成を変えてもらえたのはうれしかったです。
両日ともついてくるお造りは絶品でした。
白身魚も脂が乗っていて、さすが北陸の海鮮はクオリティーが違うと実感しました。
普段スーパーで買うお刺身とはレベルが違いました。
別に高価なカニやのどぐろを頼まなくても、普通のお魚だけで十分しあわせになれます。
1日目のメインは能登豚のみぞれ鍋。
能登には魚介だけでなく、ブランド豚肉もあります。
2日目はアカラやタラなど海鮮尽くし。
こちらはアサリも入ったコンソメ味の鍋です。
刺身、鍋、煮付け、揚げ物と、さまざまな調理法で魚を楽しめて申し分ありません。
おかず以外のご飯、汁物、デザートはブッフェスタイルで、好きなだけ食べられます。
フルーツやお団子を山盛りすれば、パフェっぽいスイーツもつくれます。
アイスクリームは石川県民の消費量が全国一らしく、バニラ・ストロベリー・抹茶と3種類も用意されていました。
寒い地方なのにアイスが売れるとは不思議ですね。
デザートだけでもお腹いっぱいです。
やはり夕食は少量の「なぎさ」コースにしておいてよかったです。
能登の地酒
休暇村のレストランには能登・加賀のお酒もそろっています。
有名な加賀梅酒や日本酒だけでなく、ワインやどぶろくも注文できます。
ためしに地酒三銘柄の利き酒セットを注文してみました。
菊姫・天狗舞・宗玄の3点セットで1,100円でした。
天狗舞はやや緑がかった色をしています。
少量ずつ試飲して味の違いを楽しめるのがよかったです。
朝食は海鮮ブッフェ
朝食はブッフェで、朝からカジキやイカの刺身を味わえます。
漬けブリと能登豚のローストを乗せた、「魚介の彩り丼」という食べ方がおすすめされていました。
肉も魚も乗せた丼とは、朝からぜいたくな一品です。
特に漬けブリは旨味があって、これだけでもご飯がすすみます。
車麩のフレンチトーストといった、めずらしいお料理もありました。
味付けが3種類あります。
漬物やお惣菜も豊富にそろっていて、二日続きでも飽きずに、栄養バランスのよい朝食を楽しめました。
キャンプ場を併設
休暇村能登千里浜の広大な敷地には、公園やキャンプ場もあります。
腹ごなしに松林や海岸を散歩してみるのもおすすめです。
あいかわらず天気はいまいちでしたが、駐車場の脇から歩いて森に向かってみました。
寒い時期の平日だったせいか、ほかにお客さんはおらず、キャンプ場は閑散としていました。
松林をうろうろしていると、キャンプ場から海岸に抜けられるルートを発見しました。
けっこう藪が茂っていて怪しい雰囲気だったのですが、そのまま進むと海辺の見晴らしが良い場所に到着しました。
今回は天気があるかったので、千里浜で有名な「なぎさドライブウェイ」を車で走りませんでした。
休暇村からも日本海を眺められたのはよかったです。
天文台も付属
館内にはめずらしく天文台があります。
休暇村はたいてい海辺や山のなかにあるので、まわりに建物が少なく、星がよく見えるようです。
能登千里浜のほかにも裏磐梯、館山など、天文台付きの休暇村は全国で5か所あります。
天文台では毎日、天体観測のイベントが行われていて、宿泊客は無料で参加できます。
当日はあいにくの天候で、星を直接見られませんでした。
代わりにスタッフの方が、スライドショーで星空や天文台について説明してくださいました。
休暇村とは
休暇村というのは全国のリゾート地にある保養施設です。
以前は国民休暇村と呼ばれていました。
一般財団法人休暇村協会という組織が運営しています。
日本郵政株式会社が運営していた「かんぽの宿」(現在は売却され亀の井ホテル)と似た感じで、のんびりした雰囲気があります。
以前泊まった、国家公務員共済組合連合会のKKRホテルも同様でした。
いずれも会員・従業員限定の施設ではなく、一般人も普通に泊まれます。
休暇村には年金が注ぎ込まれているとか、官僚の天下り先になっているとか、黒いうわさも絶えません。
しかし実際に泊ってみるとお食事もサービスもよく、快適にすごせるホテルです。
自然豊かな保養地ということで、たいてい不便な場所にあり建物も古いですが、内装はリニューアルされていて清潔感があります。
安いお部屋は風呂なしとはいえ、大浴場があるので問題ないです。
トイレは部屋についていて、館内は浴衣で歩けます。
このあたりのスペックと価格のバランスが、個人的にはちょうどよいと感じています。
施設の古さを温泉や飲食のサービス面でカバーしているような印象です。
平日ほかに泊っているお客さんは高齢者ばかりですが、身の丈にあった昭和の温泉宿という感じでくつろげます。
年の離れた親戚を招待するのにも好都合です。
大人から子どもまで、年齢を問わずに楽しめるファミリー向けの宿ともいえます。
お得なQ会員
休暇村には年会費無料のQ会員という制度があり、入会すると若干料金が安くなります。
会員は利用料の5%が還元されて、ポイントが結構たまります。
有効期限は最終利用日から2年間なので、たまに泊まるか飲食利用すれば、無期限でポイントを貯められます。
休暇村は北海道から鹿児島まで、全国に35か所もある一大ホテルチェーンです。
以前、東京に住んでいたときに、休暇村奥武蔵の大浴場を日帰り利用させてもらったことがあります。
秩父登山のついでに寄るには、便利な施設でした。
リタイア後の趣味として、全国の休暇村を泊まり歩いてみるのも楽しそうです。
たいてい僻地にあり、車でアクセスする必要はありますが、アウトドアが趣味の方ならうまく使いこなせると思います。
宿泊料金
平日に朝夕食付の連泊プランで2泊しました。
休暇村Q会員の割引価格で1日11,000円のところ、全国旅行支援も使えてさらにお安くなりました。
チェックインの際にもらえた地域クーポンは、夕食時に注文したお酒代にさっそく充当できました。
そのほか入湯税などいろいろ含めても、1泊6,700円くらいで済んだ計算です。
都会のビジネスホテルに泊まるより安いくらいの金額で、豪華な懐石と朝食ブッフェ、さらに地酒も満喫できました。
しかも温泉は源泉かけ流しで、大浴場・露天風呂付きです。
コロナ対策の割引クーポンが使えたのはラッキーでしたが、食事と温泉を含めた休暇村のコストパフォーマンスは高いと思います。