2024年元旦に起きた能登半島地震の約1年前、2泊3日で能登~金沢~白川郷を旅行しました。
これから北陸応援割を活用したり、復興支援で能登を訪れるお客さんも増えると思います。
参考情報として、震災前の能登観光に関する情報をまとめてみました。
現在は休業中の観光施設もあるのでご注意ください。
最新情報は各自でご確認お願いします。
能登観光プラン
関西方面からレンタカーで訪れ、能登半島を一周しました。
- 1日目…移動、金沢観光、羽咋(はくい)泊
- 2日目…能登観光、輪島~珠洲(すず)、羽咋泊
- 3日目…白川郷観光、帰宅
宿は休暇村能登千里浜(ちりはま)を拠点として、同じところに2泊しました。
まわりは何もない場所ですが、自然豊かでお食事の内容もすばらしかったです。
金沢では以前暮らしていたこともあり、市内中心部の名所だけ駆け足で再訪しました。
世界遺産で有名な岐阜県の白川郷は、わりと金沢から近いところにあります。
こちらはまだ見たことがなかったので、3日目の帰りに車で寄ってみました。
能登の映えスポット
かつて石川県に住んでいたのですが、金沢より北には行ったことがありませんでした。
あらためて能登半島の先端部をドライブしてみようと思い、目的地として選んだのは白米千枚田(しろよねせんまいだ)と、最近できたイカの駅です。
どちらも見た目がわかりやすく、写真映えしそうという単純な理由です。
千枚田は能登の観光ガイドには必ず載っている名所で、海岸沿いに小さな田んぼが連なった独特の風景が有名です。
イカの駅はコロナ禍の最中、2020年6月にオープンした新しい施設です。
巨費を投じて建造された、イカのモニュメントが話題になりました。
ほかにも能登の見どころはたくさんあると思うのですが、羽咋市起点の1日ドライブではこのくらいが限界でした。
輪島市と珠洲市、能登町の一部を観光しただけで、あとは内陸部の自転車専用道を通ってスキップしました。
完全に海岸沿いだけドライブして能登半島を一周するには、途中で一泊する必要があると思います。
気田大社
能登観光ではまず、休暇村の近くにある氣田大社(けたたいしゃ)を訪れました。
奈良時代から存在する古い神社で、本殿や拝殿など江戸時代に建てられた社殿は国の重要文化財に指定されています。
平日の午前中でしたが、ちらほら観光客の姿は見かけました。
神社の裏手にある原生林は「入らずの森」と呼ばれ、宮司以外は立入禁止になっています。
摂社の太玉神社や菅原神社まで足を延ばすと、原生林のうっそうとした雰囲気を味わうことができます。
輪島の道の駅
羽咋市から輪島市までは、「のと里山海道」という無料の自動車専用道路を経由して、一気に移動しました。
最後のICを降りてから山道を少し走ると、海岸沿いの輪島市中心部に到達します。
今思えば、輪島の朝市や古い町並みも見ておけばよかったと後悔しています。
この日は「輪島 ふらっと訪夢」という道の駅に寄って、お土産や観光案内を見ただけで次の目的地に出発しました。
道の駅のお店では、お椀やお箸など高価な輪島塗の商品を見ることができました。
ものによっては数千円で買える器もあり、日用品として十分活用できそうです。
ただ食器はいいものをすでにたくさん持っていて、なかなか壊れないのが悩みです。
人生で一度は輪島塗の漆器を日常使いしてみたいものですが、余計な器が増えるのは困るので購入は見送りました。
白米千枚田
輪島から海岸沿いの道路を東に走って、観光名所の白米千枚田を見に行きました。
田んぼの横に展望台と、道の駅「千枚田ポケットパーク」があります。
白米千枚田は国の名勝で、観光ガイドでもよく紹介されるスポットです。
海に面した斜面に、1000枚以上ある小さい棚田が連なっています。
昔、鍾乳洞の秋芳洞で見た百枚皿という地形を思い出しました。
田んぼのなかは入れませんが、まわりを歩ける遊歩道があります。
こんな険しい斜面に水田をつくるのが合理的なのかわかりませんが、開墾した人の執念を感じます。
生産用の田畑というより、観賞用の庭園といった趣があります。
稲刈りの前や、夜間のイルミネーションはさぞかしきれいだろうと想像します。
棚田に沿って、LEDのライトがびっしりと設置されていました。
今回の能登旅行はずっと雨で、北陸らしい曇天を体感できました。
千枚田でも海から吹いてくる風がすさまじく、田んぼに生えている木々も大きくひしゃげています。
荒々しい日本海と、農家の意地が拮抗しているような、緊張感のある風景を眺められます。
塩入りのたい焼き
千枚田の上のほうに眺めのよさそうなカフェがあったのですが、この日はお休みでした。
道の駅には飲食コーナーがあり、棚田のコシヒカリでつくられたおにぎりなどが販売されています。
謎の「かかし」という人型の揚げ物もあります。
よもぎと能登の塩が入っている、千枚田名物のたい焼きをいただきました。
普通においしいたい焼きですが、よもぎの味はそれほどしませんでした。
この日はさすがに雨風が強すぎて、千枚田のなかを歩いているのは自分たちだけでした。
ほかの観光客は道の駅でくつろいだり、展望台から見下ろして写真を撮るだけで帰っていきました。
すず塩田村
能登半島にある仁江(にえ)海岸は、揚げ浜式の塩づくりで有名な地域です。
国道249号を千枚田から東に向かう途中、海岸にある製塩所をいくつか見かけました。
塩づくりについては「道の駅 すず塩田村」で学べます。
ミネラル豊富なあげ塩のお土産を購入したり、塩味のソフトクリームもいただけます。
近くに休憩できる場所は少ないので、トイレ休憩も兼ねて立ち寄りをおすすめします。
道の駅は岩場が近く、日本海の荒波を間近で観察できます。
見附島
時間の余裕がなくなってきたので、能登半島の先端までは行きませんでした。
国道249号を道なりに進み、山道を抜けて珠洲市の中心部に向かいました。
珠洲の沿岸に、見附島(みつけじま)という観光名所があります。
特に下調べはしていなかったのですが、海岸の道路からおもしろいかたちの島が見えたので、ためしに寄ってみました。
よくある奇岩の類ですが、高さ28メートルもあり、岩としては巨大です。
別名、軍艦島とも呼ばれているそうです。
断崖絶壁にこんもり木が生えている様子は、盆栽のようで風情があります。
訪れた時間帯はか引き潮だったようで、岩の通路を歩いて渡れました。
途中まで進んでみましたが、風が強くて寒かったので引き返しました。
仮に島までたどり着けたとしても、崖をよじ登るのは難しいと思います。
空海に由来する故事があるらしく、以前は見附島の上に神社があったようです。
1993年の能登沖地震で倒壊し、現在は海の上に鳥居だけ残っています。
イカの駅つくモール
見附島から南に向かうこと約12キロ、今回の旅の目的地「イカの駅 つくモール」に到着しました。
コロナ炎上案件
2020年に名物のスルメイカをモチーフにした巨大モニュメントが建てられ、話題になりました。
コロナ対策の地方交付金として国から配られた2,500万円を、全額イカのモニュメントに注ぎ込んだという大胆なプロジェクトです。
当時は税金の無駄づかいと批判され、SNSでもよく目にしました。
炎上してネガティブな印象をもった人も多いと思いますが、何かしらの宣伝になったというのは間違いないでしょう。
計算根拠は不明ですが、経済効果は6億円以上と試算されているそうです。
同じコロナ交付金を、住民に飲食クーポンとしてばら撒いた多くの自治体に比べれば、ユニークな政策といえます。
明らかな炎上マーケティングで「見に行ったら負け」と蔑んでいました。
しかしせっかく能登に来たのなら、話のネタにいちおう押さえておきたいポイントではあります。
イカで有名な小木港
能登町にある小木(おぎ)という港は、八戸・函館と並んで「日本三大イカ釣り漁港」といわれているそうです。
イカの水揚げ量なら青森の八戸が日本一、北海道の函館は駅弁の「いかめし」が有名です。
残るひとつは佐賀の呼子(よぶこ)あたりかと思っていましたが、能登も名産地なんですね。
つくモールから少し南にある小木港を車で走ったら、たしかにイカ釣り用とおぼしき船を何隻か見かけました。
水曜はお休み
イカの駅でいろんなイカ料理が食べられるかと期待していたのですが、なんと水曜日は施設の定休日でした。
心のなかではひそかに楽しみにしていたので、二重にがっかりです。
事前に調べていなかった自分が悪いのですが、仕方なくイカの置物だけ見て帰りました。
ほかにも定休日と知らずにやって来た若いカップルがいて、イカの写真を撮っていました。
観光客が写り込まずにイカを撮りまくれるという意味では、案外お休みでよかったかもしれません。
イカの駅では何も買えなかったので、能登町での観光消費はゼロ円です。
地域の経済振興にはたいして貢献できませんでした。
イカキング
スルメイカのモニュメントには、イカキングという名前がついています。
内部は鉄骨、外皮はFRP製で、全長13メートルあり重さは約5トンです。
さすが建設に2,000万円以上かけたとあって、構造はしっかりしています。
雨で濡れていたので上には乗りませんでしたが、子どもなら大喜びでよじ登ると思います。
滑りやすいので気をつけてください。
イカキングの表面は何種類もの塗料で仕上げられていて、かなりリアルに見えます。
足の吸盤や目玉も精巧にできています。
イカの口のなかは空洞になっていて、下からしゃがんで入れます。
ここから顔を出して撮影すると、イカに食べられたような迫力ある写真を撮れます。
遊具ではなく純粋なモニュメントですが、撮影スポットとしてはよく考えられていると思いました。
カフェのイカメニュー
つくモール内のカフェも開いていませんでしたが、外に出ているメニューは見られました。
定番のイカ焼きだけでなく、ピザやイカ墨・いしるのソフトクリームもあります。
「いしる」というのは魚の内臓を発酵させた調味料で、日本三大魚醤のひとつらしいです(ほかの2つは秋田のしょっつる、香川のいかなご醤油)。
イカの駅とは別のお店で、お土産に「いしる」を買ってみました。
原材料はイカ・食塩・米麴だけのシンプルな食品です。
普通の醤油とは違って、ナンプラーのような独特な香りがありました。
刺身につけて変化を出したり、味噌汁に入れてもおいしいです。
お菓子のビーバー
北陸のお菓子といえば、ホッカ(北陸製菓)のビーバーが有名です。
普通の揚げあられですが、平べったい長方形のかたちがビーバーの歯に似ているそうです。
海狸の肉は入っていません。
たまたまお店で「のどぐろ味」を見かけたので買ってみました。
のどぐろといえば金沢の高級魚ですが、それほど魚っぽい味はしませんでした。
ほんの少ししか入っていないのかもしれません。
のどぐろは北陸限定のフレーバーで、2023年に終売してしまったそうです。
その後、新たな限定味としてカニビーバーが販売されています。
石川・富山・福井の北陸三県でしか手に入らないらしいので、能登ドライブのお供に希少なカニ味をどうぞ。